欧米には現在、オランダ、ベルギー、イタリア、ドイツ、イギリス、スペイン、ポルトガルをは じめ、医療大麻の使用が法律で認められている国が数多くあります。アメリカでは29州と首都ワシントン DC で医療大麻が合法であるほか、さらに17州で CBD に限っての使用が認められ(注1)、総合すると、何らかの形でカンナビノイドの医療目的使用が可能な州が過半数を大きく上回っています。
近代医療における医療大麻の使用は当初、ガンの化学療法に伴う吐き気を抑えたりエイズ患者の 食欲を促進したりといった目的が大半でしたが、人間の体内にエンドカンナビノイド・システムがあることが1990年代に発見されて以降、近年では、カンナビノイドが持つ、より多様でより積極的な治 療効果に関する研究も盛んに行われるようになりつつあり、査読を経た学術論文も多数発表されています(注2)。
一方日本ではご存知の通り、大麻取締法によって大麻草の使用は厳しく禁じられ、研究さえ許されていません。医療大麻の恩恵を受けることができるかもしれない日本の患者には、その可能性が一切閉ざされているのが現状です。また、実際にどのように医療大麻が使用され、どのような病気に効 果を示しているのか、入ってくる情報が少ないために、どう考えてよいかわからない人がほとんどです。
海外での医療大麻研究の進展と臨床使用の実情を日本の方々によりよく知っていただくために、私たちは、2017年7月3日、一般社団法人 GREEN ZONE JAPAN を設立いたしました。医療大 麻を必要とする患者や希望する患者にいち早く届けられるよう、必要な研究が進み、制度が整備されることに寄与することを目的として、さまざまな活動を展開し、医療大麻に関する正しい知見を広く普及させることを目指します。
GREEN ZONE JAPAN のウェブサイト: http://about.greenzonejapan.com もご覧ください。