トッド・ミクリヤ医師と、医療大麻が効く 250 の疾患

医療大麻が有効な症状や病気の幅は広く、一説には250種類もの病名に対して効果があると言われています

その根拠となる使用記録を集積し、カリフォルニアでの医療大麻合法化に多大な貢献をしたのが「医療大麻運動の父」ことトッド・ミクリヤ医師(1933-2007)です。

1960年代、医師として国立精神病センターで、乱用薬物としての大麻の研究を行なっていた彼は、1972年に『Marijuana Medical Papers 1839-1972』という書籍を出版し、体制に反旗を翻します。1930年代の規制以前、大麻が医薬品として幅広く使用されていたという、「忘れられた歴史」を再発見したこの本は、その後のアメリカでの医療大麻合法化運動におけるバイブルとなりました。

数々の法廷闘争などを経て、1996年にカリフォルニア州は住民の投票で医療大麻を合法化しますが、その際の適応範囲が「医療大麻を必要とする全ての疾患」という寛容な内容になったのは、系統的に記録を収集し、法案の作成に協力した彼の功績とされています。合法化の後も続く当局からの脅迫や嫌がらせに屈せず、彼は医療大麻専門の医師としての診療を続けました。

彼の死後も、彼が設立した Society of Cannabis Clinicians という団体は、その志を引き継ぎ、精力的に活動しています。(現在の代表は以前記事としてご紹介したジェフェリー・ヘルゲンラザー先生です。)また彼が発見した医療大麻が有効な疾患一覧は、「Dr. Tod’s List」として、今も引用され続けています。

このリストには:

喘息
高血圧
糖尿病
睡眠時無呼吸症候群
心筋梗塞
腎炎
痛風
関節リウマチ
SLE(全身性エリテマトーデス)
強皮症
多発血管炎
種々のがん
肥満
るいそう
更年期障害
乗り物酔い
骨粗鬆症
胃腸炎
便秘
嘔気・嘔吐
過敏性腸症候群
潰瘍性大腸炎・クローン病
膵炎
甲状腺機能低下症
甲状腺機能亢進症
不安障害
躁うつ病
不眠症
過換気発作
パニック障害
強迫性障害
PTSD
統合失調症
自閉症
アルツハイマー型認知症
ニコチン・アルコールを含む諸々の依存症
偏頭痛
てんかん
パーキンソン病
ALSなどの神経変性疾患
多発性硬化症
結膜炎
緑内障
メニエール病
耳鳴り
慢性肝炎
ヘルペス感染
血友病
腰痛
その他の慢性疼痛
慢性湿疹

など、暮らしの中で耳にする多くの病名が挙げられています。

このリストは患者さんの使用経験を観察して作られたものであり、科学的検証が未だ充分でないものも多く含まれますが、近年、サイエンスはミクリヤの臨床家としての直観が正しかったことを、多くの疾患領域で証明しつつあります。


ミクリヤ(御厨)という性が示す通り、彼のルーツは日本にあります。日本人の父とドイツ人の母の間に生まれた彼は、第二次世界大戦の影響で激しい人種差別に晒されました。その経験が後に大麻規制に反対する反骨心の源になった、と彼は語っています。

図らずも私がこの記事を執筆していた 9月20日は、ミクリヤ医師の誕生日でした。
もし彼が生きていたなら、遠い祖国の現状に対して何と言うのか。

我々はその志を汲んでいきたいと思います。

 

文責: 正高佑志(医師)
校閲: 三木直子

参考文献:
http://asayake.jp/cannabis-studyhouse/20_medical_cannabis/56_dr_mikuriya_observation/dr_mikuriya_observation.html

コメントを残す