【速報】アメリカが大麻での前科を帳消し・大麻規制見直しへ

2022.10.07 | 海外動向 | by greenzonejapan
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【速報】アメリカが大麻での前科を帳消し・大麻規制見直しへ
2022.10.07 | 海外動向 | by greenzonejapan

2022年10月6日、米国の大統領であるバイデン氏が、連邦における大麻制度改革の変更に着手する旨の声明を発表しました。以下にホワイトハウス公式サイト掲載文の日本語訳を掲載します。

大麻改革に関するバイデン大統領の声明 2022年10月6日

大統領選の選挙期間中によく言ったように、大麻を使用したり所持しているだけで刑務所に入るようなことがあってはならないのです。 大麻を所持しているだけで刑務所に送られることは、あまりにも多くの人々の人生を狂わせ、多くの州でもはや禁止されていない行為のために人々を投獄してきました。また、大麻所持の犯罪歴は、雇用、住宅、教育の機会に対して不必要な障壁を課してきました。 また、白人と黒人と褐色の人々が同じような割合で大麻を使用する一方で、黒人と褐色の人々は不釣り合いな割合で逮捕、起訴され、有罪判決を受けてきたのも事実です。

本日、私はこの失敗したアプローチを終わらせるために取るべき3つのステップを発表します。

まず、私は、大麻の単純所持に関する過去の連邦犯罪をすべて恩赦することを発表します。 私は司法長官に、資格のある人に恩赦の証明書を発行するための行政手続きを導入するよう指示しました。 大麻所持の連邦犯罪の前科を持つ人は何千人もいて、その結果、雇用、住宅、教育の機会を奪われる可能性があります。 私の行動は、こうした有罪判決から生じる副次的な影響を和らげるのに役立つでしょう。

第二に、私はすべての知事に対して、州の犯罪に関しても同じことを行うよう求めています。 大麻の所持だけで連邦刑務所に入る人がいないように、そのような理由で地元の刑務所や州刑務所に入る人もいるべきではありません。

第三に、私は、保健福祉長官と司法長官に対し、大麻の連邦法上の分類方法を迅速に見直すための行政手続きを開始するよう求めています。 連邦法は現在、大麻を規制薬物法のスケジュール I に分類しています。これは、最も危険な物質のための分類であり、ヘロインやLSDと同じ分類であり、過剰摂取を引き起こすフェンタニルやメタンフェタミンよりもさらに高い分類です。

最後に、連邦政府と州政府の大麻に対する規制が変更されても、売買、マーケティング、未成年への販売に関する重要な制限は維持されるべきです。

私たちの大麻へのアプローチの失敗のために、あまりにも多くの人生が狂ってしまった。 今こそ、この誤りを正すときです。

これに関して、何点か重要な補足を述べておきたいと思います。
今回、バイデン大統領が目指しているのは ① 連邦レベルでの非犯罪化、② 大麻関連の前科前歴の抹消、③ 各州でも同様の扱いを一律で導入すること、④ 大麻のスケジュールの変更ということになります。

日本のマスコミでは「合法化」と「非犯罪化」が混同されがちですが、両者は異なる概念です。詳細については過去に解説動画を作りましたのでご覧ください。バイデン大統領はステートメントの中でも、合法化に踏み切る意向はないことを強調しているように見えます。

また日本人に馴染みがないのは、アメリカ合衆国では州の法律と連邦法の二本立ての運用がなされており、実生活においては州法の影響力が大きいということです。たとえば、いまだに連邦法は医療大麻を認めていませんが、既に38州の州法では合法化されています。一方で未だに大麻に対して厳しい姿勢をとる州も存在します。今回、バイデン大統領はトップダウンにより全ての州で大麻の非犯罪化を導入することを検討しているようです。

また「スケジュール」というのは薬物のグレード分類です。連邦の分類では、スケジュール Ⅰ 〜 Ⅴ の5段階が存在し、数字が大きいほど安全性が高いという区分となっています。大麻が具体的にどのスケジュールに移行されるかは言及されていませんが、「乱用性が高く、医学的価値がない」とされるスケジュール Ⅰ から除外されることで、医療大麻の研究が連邦レベルで認められるようになるのは間違いありません。

最後に最も重要な点ですが、バイデン・ハリス陣営は2020年の大統領選の際に、既に今回発表したような非犯罪化方針を公約に掲げて選挙戦を戦っています。しかし大統領に就任したのちに彼が大麻関連で行った功績は、大麻使用歴を認めたホワイトハウスの職員をクビにしただけでした。

今回の発言は、11月8日に控えている中間選挙を意識したものと考えられます。実際に行動を起こすのか、それとも再び選挙前のリップサービスに終始するのか、現時点では予断を許さない状況と言えるでしょう。

PS:今年の4月に、バイデン大統領は大麻関連受刑者9名に対する恩赦を行っていました。ご指摘頂きましたDS@アメリカの大麻業界を解説するノート様に御礼申し上げます。

執筆:正高佑志(医師・ Green Zone Japan代表理事)

“【速報】アメリカが大麻での前科を帳消し・大麻規制見直しへ” への3件のフィードバック

  1. 田上宏三 より:

    いつもお世話になっております。
    是非一日も早く、米国連邦法での非犯罪化が実現し、属国日本へ圧力がかかる事を願っております。

    日本での前科の記録抹消、今後の逮捕・勾留・起訴が撤廃され、やっと先進国らしいまともな人権優先の(司法)行政が執り行われますように!

  2. ManabuShimpo より:

    時代の転換期にいるという事を体感しています。
    今後の動きを注視していきたいので新たな投稿、心待ちにしています。

  3. BarBer420 より:

    大麻取締法違反で保釈中です、11月の公判には全く影響無いですね、、、

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