2025年6月9日、Green Zone Japanを中心とした研究チームによる総説論文が、国際学術誌『Cannabis and Cannabinoid Research』に掲載されました。本論文は、2023年に成立し2024年に施行された、日本の大麻取締法の大幅な改正について、その全体像と社会的影響を「医療」「カンナビノイド産業」「薬物規制」「大麻栽培」という4つの観点から整理・分析したものです。
日本の大麻取締法改正について、我々はこれまでも詳細な解説を行なってきましたが、それらの内容は日本語での情報に限定しており、国際社会には法改正の詳細や意義については十分に伝えられてきませんでした。本報告は我々が知る限り、大麻取締法改正について解説した初の総説論文であり、日本の現状を国際社会に共有する重要な知見を含む報告であると自負しております。
この総説では、以下のようなポイントが詳しく解説されています:
* 新たに整備されたTHCの閾値(0.1ppm、1ppm、10ppm)に応じた製品分類
* 医薬品としての大麻使用が可能になった背景と今後の課題
* 使用罪の創設によって懸念される刑事司法への影響
* 栽培ライセンス制度の再編と、厚生労働大臣の関与の強化
* 「外観が大麻であること」も違法とされる解釈の問題点 など
全体として制度改正をめぐる賛否や課題を冷静に整理し、今後の法運用に向けた道筋を示す内容となっています。
本論文の日本語ドラフトは下記からご覧いただけます。
https://drive.google.com/file/d/1E3sUMncwOBD_csAKTBI71WQt9z9LpMmS/view?usp=sharing
また掲載論文はこちらからご覧いただけます。
(https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/can.2025.0006)
今後も大麻にまつわるわかりやすい情報発信を継続してまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
論文詳細:
タイトル:How has Japan’s Cannabis Control Act been amended?
著者: Masataka Yuji, Akahoshi Yoshiyuki, Katayama Munenori, Umemura Futaba, Miki Naoko, Nakazawa Ryota, Shibata Kosuke, Yoshida Chikako, Mikami Ayako, Matsumoto Toshihiko, Akino Kozo, Takumi Ichiro
掲載誌:Cannabis and Cannabinoid Research
発行:Mary Ann Liebert, Inc.
DOI:https://doi.org/10.1089/can.2025.00
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