私のSNSアカウントに届く質問の中で最も多いのが、“明日尿検査を受けるのだが大麻使用がバレないか心配だ“というものです。これについての回答をまとめておきます。(本記事は違法行為を推奨するものではありません)
①健康診断・学校検診の場合
結論から言うと、職場や学校の健康診断で大麻使用がバレることは基本的にありません。そもそも皆さんが健診を受けなければならないのは、労働安全衛生法により義務付けられているためです。その際に健診でチェックするべき項目もまた法律により定められています。尿検査で確認されるのは、潜血や尿タンパク、白血球、尿糖などの基本的な項目だけであり、大麻成分の検査が行われることはありません。
②病院受診の場合
何らかの病気や症状で病院に受診した際に、尿検査をオーダーされることがあります。この場合も、基本的に心配は要りません。病院での尿検査で薬物検査を行うのは極めて特殊な状況のみであり(後述)、一般的な受診で大麻成分をチェックする可能性はゼロと言えます。
③どのような状況だと発覚する可能性があるのか?
私が思いつく範疇で、尿検査で大麻使用が判明しトラブルに巻き込まれる可能性があるのは以下のシチュエーションです。
A:救急外来でのスクリーニング
貴方が何らかの理由で意識障害に陥った状態で、救急外来に担ぎ込まれた場合、病院側は意識障害の原因を調べることになります。その際に“トライエージ“と呼ばれる薬物一式を一斉スクリーニングするキットを用いて尿検査が行われることがあります。大麻反応が陽性になった場合に警察に通報するかどうかは現場の裁量に委ねられていますので、場合によっては目が覚めた後に取り調べを受けることになります。
B:特殊な職業に従事する場合
職場健診で大麻反応をチェックすることはありませんが、中には例外が存在します。例えば自衛隊ではランダムに尿検査を実施しており、また隊員が薬物事件を起こした場合には同じ部隊の隊員にドラッグテストを実施するよう通達されています。実際に2024年3月には抜き打ちのドラッグテストにて大麻使用が発覚し懲戒免職になった例が報道されています。自衛隊以外にこのような厳しい内規を定めている団体を私は知りませんが、特殊な職業・団体に所属する場合は注意が必要です。
C:ドーピングチェック
これも一般的な暮らしでは縁がありませんが、ドーピングチェックに関してはCBD以外の大麻成分は抵触する可能性があります。CBGやCBNなどの日本では合法なカンナビノイドも、WADA(世界反ドーピング機構)は2024年時点では違反成分となりますので注意が必要です。
執筆:正高佑志(医師・Green Zone Japan代表理事)
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