美容と CBD

2020.06.20 | 大麻・CBDの科学 病気・症状別 | by greenzonejapan
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美容と CBD
2020.06.20 | 大麻・CBDの科学 病気・症状別 | by greenzonejapan

 

CBD の用途は医療だけではありません。今、特に注目が集まる領域が美容です。先日、国内の大手エステ企業が、「CBDマッサージ」を大々的に打ち出したことは大きな衝撃を持って迎えられました。

 

CBDには美容上、どのような効能があるのでしょうか? またCBDマッサージにはどのような効用が期待されるのでしょうか?

広がるスキンケア・マッサージ製品

アメリカでも美容目的の CBD利用はブームとなっており、「CBD  Skincare」で検索すると、数えきれない数の製品がヒットします。

 

 

高級化粧品ブランドとして知られるエスティ・ローダーも、CBDを含有したフェイスマスクを販売しています。(70gで約3,000円)

 

ブランドだけでなく、セレブも関心を抱いているようです。

Kimono と名付けた下着ブランドの立ち上げで記憶に新しいキム・カーダシアンが、カニエウエストとの第四子の出産パーティーを行った際のテーマは「CBDと瞑想」でした。会場には CBDバーが設けられ、参加者はバスソルトやマッサージオイルを自作できたとか。
https://www.wmagazine.com/story/kim-kardashian-cbd-baby-shower-kanye-west/amp/?__twitter_impression=true

「CBD massage oil」で検索すると、こちらも数え切れないほどの商品が並びます。

 

 

CBDをスキンケアに使用するのは、急速に一般化しつつあるようです。ではその根拠はどこにあるのでしょうか。

皮膚とカンナビノイド、抗炎症作用

大麻の成分が作用する「鍵穴」であるカンナビノイド受容体は、脳などの神経細胞に豊富に発現しています。人間が精子と卵子から細胞分裂を繰り返し、身体を作り上げていく過程において、実は神経と皮膚(表皮)は「外胚葉」と呼ばれる同じ組織から発生します。そのためでしょうか、皮膚にもカンナビノイド受容体は多く発現しているようです。

実際に、アトピー性皮膚炎、乾癬、ニキビ、脱毛症などの様々な皮膚疾患に対して、カンナビノイド医療が期待できるという研究が進みつつあります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6429381/#!po=1.76471

肌荒れの多くには炎症のメカニズムが関与しています。CBD の作用機序は複雑ですが、抗炎症作用による肌の慢性炎症抑制や、エンドカンナビノイドシステムの活性化が美容効果の一役を担っているようです。

CBDマッサージは直下の筋肉や神経にも作用する

マッサージについてはどうでしょうか? 以前の記事で紹介した通り、CBD の塗り薬には、塗布した部位の直下の筋肉の緊張を和らげたり、神経痛を改善する効果があることが報告されています。

これらの結果から、マッサージ手技にCBDオイルを併用することで相乗効果が得られるというのは妥当ではないかと考えられます。

金額の問題、CBD 含有量の問題

とはいえ、これらは理論上の話です。CBD オイルは安価ではありません。これらのサービスで薬理作用が期待できるだけの量の CBDが使用されているかというのは、注意が必要な点でしょう。一連の美容のための使用が、良心的な形で広がっていくことを願っています。

 

参考:https://www.projectcbd.org/wellness/cbd-skin-care-can-it-help-your-complexion

 

文責:正高佑志(熊本大学医学部医学科卒。神経内科医。日本臨床カンナビノイド学会理事。2017年より熊本大学脳神経内科に勤務する傍ら、Green Zone Japanを立ち上げ、代表理事を務める。医療大麻、CBDなどのカンナビノイド医療に関し学術発表、学会講演を行なっている。)

 

 

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